発売2週間前で突然の発表
来月の15日にSTEAMで発売予定だったMetroシリーズの最新作『Metro Exodus』(メトロ エクソダス)。少し前から予約販売をしていた作品でしたが、発売まで2週間余りとなった本日未明(1月29日)に公式のTwitterやコミュティでPC版をEpic Game Store(以下EGS)で独占販売をすることを発表しました。
独占販売は1年間、2020年2月15日以降はSTEAMでも購入出来るようになります。また、アナウンスと共にSTEAMでの予約販売は終了しました。発表前に予約購入をしたユーザーについては、当初の予定通り発売日から問題無くDLCも含め、プレイすることが可能とのことです。
最近の話ではUBIから発売予定だったTHE DIVISION 2がSTEAMでの販売を取り止め、EGSでの販売をすると発表されました。発表当時はそれなりに批判があったものの、予約受付前だった事や自前のストア「Uplay」でも販売していることから本作ほどでありませんでした。
EGSへの鞍替えを発表後、非難の嵐
本作のSTEAMのコミュニティ内にあるEGSでの独占販売を発表したページのコメント欄には中指を立てたアスキーアートで溢れかえっています。購入したかったユーザーや騒ぎに乗じたユーザーやらでお祭り騒ぎです。発表以降の動きは公式のTwitterも含めてありません。今更、鞍替えを止めるというのも難しいでしょうから、この発表が販売状況にどう響いてくるのか気になるところです。
ストアページにはSTEAMを管理するValveからのお知らせもありました。
- 予約購入済のユーザーは問題無く“STEAMで”ゲームやDLCを利用できる
- EGSへの独占販売を販売元から伝えられたのはごく最近の話
- 予約販売していたのにも関わらずこの決定はフェアではない
- 楽しみにしていたユーザーに対しては申し訳ないとの謝罪
EGSへの鞍替えのメリットは?
EGSがSTEAMより優れていると全面に出しているのがストア側の取り分の少なさです。STEAMは30%、EGSは12%でその差は18%。同数を売り上げた場合の利益は+18%となり、開発や販売元にとっては有り難い話となります。他にも開発資金やゲームエンジンの利用料などのサポート等、細かいものがあるようですが、取り分の違いが一番大きいです。
EGSの方が開発や販売元が得られる取り分は、多いのでSTEAMから鞍替えすることで利益が上がるか?といえば疑問が残ります。どちらで売ったとしても同数であれば、EGSの方が利益は出ます。ただし、EGSはまだ新しいストアで使用するユーザーの数はSTEAMと比べるまでもありません。また、単純にSTEAMでの購入者がEGSより26%以上多い時点で、取り分の違いというEGSの唯一とも言える優位さは消えることになります。
ユーザーにとってEGSには魅力がない
両者のストアページのスクリーンショットです。1枚目のEGSを訪れてどんなゲームがあるのだろうと探したくなりますか?2枚目のSTEAMのページではどうでしょうか?
個人的な主観ですがSTEAMのストアページは、ゲームの紹介やセールなど情報量がEGSの比でないぐらいに溢れています。またUIも優れており、ページ下部へスクロールをすることなく、様々なページに移動する事も出来ます。一方のEGSはパッと見ただけで淋しい印象を受けます。
ストアページの寂しさは取扱量の違いもあると思われますが、ゲーム単体のページにおいてもそれは変わりません。EPIC自身が販売しているSHADOW COMPLEXの両ストアのページを載せてみました。どちらが良いのかは一目瞭然ですよね。
EGSの問題提起は良いと思うがやり方は汚い
様々なニュースサイトでも報じられているように、EGSは取り分の違いを全面に出し開発や販売を呼び込んだり、定期的に無料でゲームを配布しユーザーを取り込もうと必死です。作り手や売り手が多くの利益を得られる点はSTEAMも見習うべきで、得た資金を元に新たなゲームが作られることは良いと思います。
ところがユーザーに対するメリットは皆無です。むしろ、魅力の無いストアを使わされるデメリットしかないように思えます。STEAM以外のランチャーが増えるのも正直言えば面倒くさいです。それにゲームをどこで買うかを重要視しているユーザーが居るのも事実。ゲームの保有数や実績集め等、その理由は様々です。
今更、STEAMでも販売します!なんてことは言えないでしょうから、2週間後にはPC版のメトロ エクソダスはEGSで発売されます。STEAMから鞍替えしたことが吉と出るか凶と出たのかはすぐに出そうです。ゲーム自体の出来より今回の騒動で大コケしてしまうのではないかと思えて仕方在りません。
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